広州の物価高について嘆きばかり(?)を3度も書いた。
4度目の広州出張となった今度の話題はがらりと変わり、機内で往路どころか復路にも起きたびっくりの出来事だ。

往路、JL602便
ビジネスクラスへのアップグレードが出来ず、エコノミークラス席に座っていた。
離陸後、間もなくしていつもの様にスチューワデスのドリンクサービスが始まり、私の所に来た時だった。 
突如水が飛んで来た! 何事かと振り返った。 そこには、スチューワデスの引いていたドリンクサービスのカートの上に中年の女性が前のめりに倒れ込んで来て、載っていた飲み物をひっくり返した光景が有った。 
そして続いて、その女性は通路に倒れ込み、ピクリとも動かなくなった!
スチューワデスが大きい声で何度も呼び掛けたが、以前として全然動かない!
脈を取り始めた。 「え〜! 死んだの?」 回りは一瞬の静寂の後に騒然となった!

ニュースでは、スチューワデスが、「お医者さんが居ないですか!」 と声を上げると、運よくお医者さんが居合わせ、助けられたといった事を耳にした。 しかし、今回もそんなに幸運に巡り合わせられるのだろうかと、一瞬思った。
脇にいて、こんな時どうすれば良いのだろうかとも焦ったが、分からない。 
医療に心得の無い私には、ここは固唾をのんで、見守るしか無かった。

しばらくして、指先が微かに動いた様な気がした。 そして、頭が少し回った。
「良かった! 助かったか?」

その女性は立ち上がろうとしたが、スチューワデスは一気に立ち上がるのを制した。
スチューワデスは落ち着いていた。 流石だ、訓練を積んでいるのだろう。 そして徐々に立ち上がらせた。 

立ち上がった、その女性は何とも無い様な顔をしていた。 
「どうしたんだろう」 と不思議そうな顔をしながら立ち上がった。
そして、ふざけんじゃないよ!と 思えるほど何も無かった様に歩いて行った。 
後には、狐につままれた様な顔々が残っていた。

復路、JAL604便
定刻前に準備が完了し、搭乗ゲートを離れ、帰国への道を進み始めた。
いつもこの時には、「さあ〜! 帰れるぞ!」 と安堵の気持ちに包まれるのだった。
ジェットはタクシー走行し滑走路に入るという矢先に停止した。
「管制塔からの指示で止ったのかな?」 と思っていた時だった。
機内に、びっくりの放送が流れた!

「2人の乗客が呼吸困難を起こしているので、引き返します!」 という事だった。
「えっ〜! 呼吸困難? それも2人も! どういう事!」

「さあ〜! もう帰れるぞ!」 と安堵した矢先の事で、今からどうなるのだろう!
でも、人命に関わるのだから止むを得ない事だろうし!
と、色んな心配と困惑した気持ちでいっぱいだった。

ジェットは空港の中央まで戻って停止した。 
疫病の発生を考えて、空港には接続させない様にする為? そこまで大変な事なの? 
と心配を煽った。
機体にタラップが横付けされた。 ドアーが開けられ、2人の呼吸困難という男性乗客が降りて行った。 

しばらく待っていたら、機内放送が流れて来た。 「今回の疾病の原因が疫病かどうかを調べる為に、中国検疫当局の検疫が実施される事になり、今から検査官が来ますので待つ事になります」 という事だった。

中国の検疫官? 何処から来るの? のんびり来るのだろうな! 参ったな〜! 
窓から何度も外を見たが、全然来る気配は無かった。

ここは腹を据えてDVDでも見て待つしかない。 幸い復路はビジネスクラスにアップグレード出来ていたので、DVDを借りる事が出来た。
(JALの広州航路を就航するフライトには、個人テレビが付いていない機体が多いので、ビジネスクラスの乗客にはDVDプレーヤーが貸出されるのだ)

20分位経っただろうか? 機内放送が流れた! 「検疫官がこちらに向かっているという情報が入りました」 と。
まさか蕎麦屋の出前ではないだろうねと、疑心暗鬼でそのアナウンスを聞き流していた。
いらいらしていた性なのか? 到着がいやに長く感じられた。

待ち待った? 検疫官が機体の下に到着した。 先ず患者の検疫を開始したようだった。
5分くらい経っただろうか? 開けたドアーから見ていたスチュワードが嬉しそうな顔して 「本当!」 と言った。
そして、嬉しい機内アナウンスが流れた。
「病人の検疫の結果、問題が無かったので機内の検疫は不要となりました。 すぐさま飛び立てる事となりました。 シートベルトをお締め下さい」
1時間位待たされたが、そのアナウンスでいらいらがいっぺんに吹っ飛んだ!

という訳で、今回の出張は往復とも! 病人が出る事態に遭遇してしまった。 
こんな事はもう有ってほしくないな〜! と念じつつ、そしてほっとして上昇するジェットの加速度を感じながらシートに体を深く埋めた。
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